久留米大学医学部 皮膚科学教室

研究テーマ

研究テーマ

橋本 隆

1.  自己免疫性水疱症の抗原解析

2.  抗ラミニン5抗体の検出法の開発

3.  抗a6b4インテグリン抗体の検出法の開発

4.  水疱性類天疱瘡におけるIVIG治療

5.  天疱瘡におけるミゾリビン治療



鶴田大輔

1.  live cell imaging を用いた細胞‐細胞外マトリックス結合関連疾患の病態解明研究

2.  毛周期での細胞外マトリックスによる調節機構の解明



辛島正志

1.  BP230とケラチン中間径線維の結合の解析

2.  エンボプラキンとペリプラキンとケラチン中間径線維の結合の解析

3.  エピプラキンとケラチン中間径線維の結合の解析



大日輝記

1.  抗p200類天疱瘡の自己抗原の同定

2.  表皮のリモデリングによる発癌抑制メカニズム

3.  円形脱毛症モデルマウスの開発



濱田尚宏、福田俊平、沼田早苗

・先天性皮膚疾患の分子生物学的研究



小野文武

・ヘルペスウイルス感染と多形紅斑の関連の検討



石井文人、阿部俊文

・電子顕微鏡を用いた皮膚疾患の形態学的研究



橋川恵子

・皮膚T細胞リンパ腫の皮膚へのホーミングの解析



大山文悟

1.  デスモグレイン1・3のスワッピング分子を用いたELISA法によるエピトープの検討

2.  SPD型IgA天疱瘡の動物モデルの作成



荒川正崇

・天疱瘡と水疱性類天疱瘡におけるTh-17細胞の関与の検討



十亀良介

・天疱瘡と水疱性類天疱瘡におけるTh-17細胞の関与の検討



古賀浩嗣

・抗ラミニンγ1類天疱瘡における抗ラミニンγ1抗体の病変形成における作用機序の解明



土坂享成

・IEN型IgA天疱瘡抗原の同定




 橋本 隆
1.  自己免疫性水疱症の抗原解析
 表皮抽出液、真皮抽出液、各種のリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で各種自己免疫性水疱症の抗原を同定しています。

2.  抗ラミニン5抗体の検出法の開発
 培養ケラチノサイトの細胞溶出液を用いてラミニン5の3種のサブユニットを検出する新しい系を開発しています。

3.  抗a6b4インテグリン抗体の検出法の開発
 ウシの舌の組織を用いて、各種の粘膜類天疱瘡が有する抗a6b4インテグリン抗体を検出する新しい系を開発しています。

4.  水疱性類天疱瘡におけるIVIG治療
 重症の水疱性類天疱瘡におけるIVIG治療の有効性を検討しています。

5.  天疱瘡におけるミゾリビン治療
 各種の難治性の天疱瘡におけるミゾリビン内服の有効性を検討しています。

                                       


 鶴田 大輔
1.  live cell imaging を用いた細胞 - 細胞外マトリックス結合
     関連疾患の病態解明研究

 皮膚構成細胞における細胞 - 細胞外マトリックス結合にはヘミデスモゾームとフォーカルコンタクトの2種が知られています。これらが先天的に遺伝子異常を起こしていたり、後天的に自己免疫的機序で障害された場合には皮膚の水疱、びらんが生じます。これまで、天疱瘡などの細胞 - 細胞接着の障害においては抗体が結合するだけで水疱、びらんが生じることが知られていますが、類天疱瘡などの細胞 - 細胞外マトリックス結合の障害では抗体の結合とその後に生じる細胞性免疫機序が関与することが病態形成に重要であることが広く知られております。しかしながら、細胞性免疫機序の関与しないシステムにおいても実験的にヘミデスモゾーム結合の異常が見られることも我々を含む一部の研究で知られており、この機序の解明が待たれています。我々はlive cell imagingを用いた研究でこの機序の解明を行うことを目指して研究しています。

2.  毛周期での細胞外マトリックスによる調節機構の解明
 毛の周期、特に毛成長における細胞外マトリックス分子の関与について研究を進めております。また、将来の細胞外マトリックス分子およびその誘導体などを用いた脱毛治療についても研究対象としています(マトリックス・セラピー)。

                                       


 辛島 正志
1.  BP230とケラチン中間径線維の結合の解析
 有核細胞発現系を用いてBP230とケラチン中間径線維の遺伝子を発現させ、両者の結合に関する所見を観察しています。

2.  エンボプラキンとペリプラキンとケラチン中間径線維の結合の解析
 有核細胞発現系を用いてエピプラキンとケラチン中間径線維の遺伝子を発現させ、両者の結合に関する所見を観察しています。

3.  エピプラキンとケラチン中間径線維の結合の解析
 有核細胞発現系を用いてエピプラキンとケラチン中間径線維の遺伝子を発現させ、両者の結合に関する所見を観察しています。

                                       


 大日 輝記
1.  抗p200類天疱瘡の自己抗原の同定
 私たちの体は、病原体や初期の癌細胞を攻撃し、排除する機能をもっています。これを、「免疫」といいます。免疫というしくみが、間違えて自分自身の皮膚を攻撃してしまい、まるでやけどをしたときのように水ぶくれがたくさんできてしまう恐ろしい病気が、「自己免疫性水疱症」です。このなかでも、「抗p200類天疱瘡」という病気は、皮膚のどの成分が壊されてしまうのかさえ分かっていない、原因不明の病気です。これまでにも多くの研究者が原因物質をつきとめようとしましたが、失敗に終わっています。私たちは、抗p200類天疱瘡という病気の、謎の原因物質「p200」を、世界にさきがけて発見するために、学内の「トランスレーショナルリサーチセンター」という研究所と共同研究を行っています。

2.  表皮のリモデリングによる発癌抑制メカニズム
 紫外線に当たると、私たちの皮膚は老化し、シミやシワがふえます。また、皮膚癌も起こりやすくなります。これを、「光老化」といいます。皮膚の表面を薬品で薄くはがして、光老化を起こした皮膚を若返らせる方法が、ケミカルピーリングです。私たちは、皮膚の一番外側の角層に対するケミカルピーリングで、皮膚が若返るだけではなく、皮膚癌の発生も抑えてしまうことを、動物実験で確かめました。なぜ、角層をはがすだけで、皮膚が若返ったり、皮膚癌が減ったりするのでしょう。皮膚が本来あるべきかたちを取り戻すことを、リモデリングと言います。ケミカルピーリングによる皮膚のリモデリングが、老化や発癌を抑えるしくみを明らかにしようと取り組んでいます。

3.  円形脱毛症モデルマウスの開発
 円形脱毛症は、ある日突然、髪の毛の一部分が円く抜けてしまう病気です。症状の重い患者さんでは、全身の毛が抜けてしまうこともあります。私たちの体の「免疫」という仕組みが、毛穴を病原体とまちがえて攻撃してしまうのが原因と考えられていますが、なぜ、どのような間違いがおこって病気になってしまうのかは、詳しくは分かっていないのです。私たちは、動物でこの病気を再現して、治療法の開発に役立てようと、さまざまな方法に取りかかったところです。患部だけで都合よく、悪さをしている免疫を調節したり、しつけ直したりする方法がみつかれば、他のたくさんの難病の治療にも役立つでしょう。とても難しいテーマですが、実際に患者さんの治療に直接結びつけられる成果を得たいと思っています。

                                       


 濱田 尚宏 ・ 福田 俊平 ・ 沼田 早苗
◇先天性皮膚疾患の分子生物学的研究
 我々の研究室では,単純型表皮水疱症や水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症を はじめとするケラチン病について遺伝子診断を行っています。 得られたデータを解析し,変異の部位・種類と臨床症状の相関を検討してきました。 最近では,非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症,葉状魚鱗癬,道化師様魚鱗癬, 伴性遺伝性魚鱗癬,Netherton症候群,Hailey-Hailey病などについても 遺伝子診断を行えるように設備を充実させているところです。 一方で英国との共同研究において,マッピングとポジショナルクローニングという 手法を用い,皮膚粘膜ヒアリノーシス(lipoid proteinosis)やKindler症候群の 責任遺伝子を明らかにすることにも成功してきました。 今後も上記の手法を用い,未だ原因が明らかにされていない先天性皮膚疾患の責任遺伝子の同定にもトライしていきたいと考えています。

                                       


 小野 文武

◇ヘルペスウイルス感染と多形紅斑の関連の検討
 単純ヘルペス感染症に引き続いて生じる多形紅斑における単純ヘルペスの遺伝子の関与を検討しています。

                                       


 石井 文人 ・ 阿部 俊文
◇電子顕微鏡を用いた皮膚疾患の形態学的研究
 我が教室では,自己免疫性水疱症の抗原抗体解析と先天性表皮水疱症、 先天性魚鱗癬といった先天性皮膚疾患についてその診断および研究に 多角的に日々取り組んでおります。 これらの診断および研究には皮膚科ならではの形態学の 理解・把握は基本であります。 我々の研究室では臨床の場でとても重要な病理組織学的診断はもとより、 透過型・走査型電子顕微鏡を用い診断に役立てています。 研究面では共焦点レーザー顕微鏡、免疫電顕法等を駆使し, 主に形態学からアプローチをしており,生化学的・分子生物学的手法とあわせ, その成果を国内外に発信していくことをめざしています。特に、Goldを用いたpostembedding免疫電顕により線状IgA/IgG水疱性皮膚症の抗原の微小局在を検討し、この疾患における多様性を検討しています。

                                       


 橋川 恵子

◇皮膚T細胞リンパ腫の皮膚へのホーミングの解析
 CTCL組織片のマイクロダイゼクションを用いてリンパ腫細胞の性質を明らかにし、皮膚へのホーミングに必要な分子を同定しています。

                                       


 大山 文悟

1.  デスモグレイン1・3のスワッピング分子を用いたELISA法による
     エピトープの検討

 デスモグレイン1・3とデスモグレイン2のスワッピング分子を用いたELISA法を開発し、各種の天疱瘡のエピトープを解析しています。

2.  SPD型IgA天疱瘡の動物モデルの作成
 SPD型IgA天疱瘡患者血清を新生マウスに投与することにより動物モデルを作成しています。

                                       


 荒川 正崇
天疱瘡と水疱性類天疱瘡におけるTh-17細胞の関与の検討
 天疱瘡と水疱性類天疱瘡から得られた凍結皮膚切片を免疫組織学的に検討することにより、天疱瘡と水疱性類天疱瘡におけるTh-17細胞の関与の検討しています。

                                       


 十亀 良介
◇粘膜類天疱瘡における抗インテグリン自己抗体の検出
 免疫ブロット法を用いて眼型粘膜類天疱瘡における抗インテグリン自己抗体を同定する研究を行っています。

                                       


 古賀 浩嗣
◇抗ラミニンγ1類天疱瘡における抗ラミニンγ1抗体の病変形成における作用機序の解明
 自己免疫性水疱症のひとつである、従来p200類天疱瘡と呼ばれていた病気の自己抗原がラミニンγ1である事が近年分かりました。しかしラミニンγ1に対する自己抗体がどのように水疱形成に関わるのかについては未だ明らかにはされていません。 そこで病態解明のため、本疾患のモデルマウスの作製を試みています。

                                       



 土坂 享成
◇IEN型IgA天疱瘡抗原の同定
 ジャカリンセファロースなどを用いた新しい免疫沈降法でIEN型IgA天疱瘡抗原の同定しています。