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放射線治療



 放射線治療

 放射線治療は、エネルギーの一種である「放射線」を用いて、「がん」などの悪性腫瘍を治療していくものです。治療を受けても熱かったり痛かったりすることはなく、治療する部位(照射部位)に限局して行うものなので(ピンポイント照射)、必要な範囲外に障害がでることはありません。また、「放射線」が体内に蓄積して治療を受けている人から周囲の人(例えば家族や友人)に被ばくなどの影響を及ぼす心配はありません。

 がん治療は、手術・放射線治療という局所療法と、化学療法・分子標的治療・免疫療法という全身療法に分けられますが、現在はこれらの組み合わせによる集学的治療が主体となり、放射線治療が活躍できる分野も広がってきました。がん治療に利用される放射線は、X線やガンマ線に代表される光子線と陽子線や重粒子線に代表される粒子線に分けられます。現在のがん治療における放射線治療の割合は、欧米諸国が約60%であるのに比べ、日本は約25%にすぎませんが、2015年には40%が放射線治療を受けると推定されています。その背景は、高齢化社会の急速な到来、切らずに治す放射線治療への期待、IT・画像技術などによる放射線治療の高精度化などが考えられます。
 放射線の治療は、①病巣の組織の放射線感受性により効果に差がでる、②病巣と正常組織の放射線感受性の違いにより照射(放射線治療をおこなうこと)の可能性が制限されることがある、③腫瘍周辺部位の正常組織が照射されることにより放射線障害を考慮しなければならない、などがあります。病巣部により的確な線量を照射するためには、物理工学の発展が必要であり、近年、IT技術の大いなる発展によって、放射線治療の技術は加速度的に発展した。数年前までは二次元で治療していたため、放射線療法が可能な臓器も限られていましたが、現在、三次元は当然のこととなり、空間軸に時間軸を加えた四次元治療の発展へ向かっているため、画像で確認されるほとんどの腫瘍は、放射線療法の適応になります。最新の放射線治療は、CT治療計画装置を用いた治療方法を基本に、IMRT(Intensity Modulated Radiotherapy:強度変調放射線治療)、IGRT((Image Guided Radiation Therapy:イメージガイド下放射線治療)、定位照射(体幹部・頭頚部)、Brachytherapy、TomoTherapy、粒子線治療など多岐にわたります。IMRT、IGRTは治療技術方法であり、定位照射、Brachytherapy、TomoTherapy、粒子線治療は、治療機器によるものです。また、ガンマーナイフはコバルトというγ線を使用し、特に脳神経系腫瘍に対して行い、サイバーナイフはX線を使用し、比較的小さな腫瘍に対して行われます。粒子線治療以外は国民健康保険で認められていますが、特殊な治療については疾患が決められている場合もあります。

放射線治療

放射線治療を受けるとき、放射線治療外来のカルテを作成しなければなりません。診察は、総合外来棟2階の内科総合外来の中になる放射線治療外来(14診察室)でする場合と、放射線治療センターでする場合があります。当日の診察時間や担当医の状況に応じて、診察場所が異なることをご理解ください。

1.初診時
1) 外来受診時
主に以下のケースがあります
① 久留米大学病院の他科の外来で放射線治療が必要であると検討される場合
② 久留米大学以外の病院または医院より放射線治療が必要であると検討される場合
③ 個人的に放射線治療について相談がある場合
→ 資料を持参していただくことが望ましいのですが、何らかの理由によってできない場合は、個別の相談も受けます
→ セカンドオピニオンを希望される場合、久留米大学病院医療連携室にご連絡ください。
2)他科に入院中に放射線治療が必要であると判断された場合
 各科の主治医や担当医から放射線治療の適応について相談があります。放射線治療の適応があると判断された場合、放射線治療センターの担当医が主治医と相談して最適な治療スケジュールをつくります。放射線治療センターへの紹介日もしくは放射線治療の計画準備の日に放射線治療のスケジュールや副作用などについて説明があります。
2.再診時
 過去に久留米大学病院で放射線治療を受けた方で、再度放射線治療が必要と思われる場合、再診の手続きをしていただきます。(基本的に同じ部位への再照射はできません)病気の状態に応じて、専門医が相談に応じます。
3.粒子線治療に関する相談
 粒子線治療外来を参照してください。
4.入院について
 病気の状態、家庭の状況などにより、放射線科病棟(病院本館8階)への入院が可能です。遠慮なく、担当医師にご相談ください。

平成25年8月現在
外来日

放射線治療外来が斜線でも放射線治療センターで対応する場合もあります
放射線治療センター内線:5335


放射線治療

 放射線治療センター受付

1. コンサルテーション
放射線治療の適応を決めます。主治医よりの紹介状、画像や血液検査などの資料をもとに、放射線治療についての効果と副作用を検討し、主治医と相談の上、治療スケジュールを決めます。
適応がある場合は、放射線治療の準備や開始に関するスケジュールが決まっていきます。
2. 治療準備
「がん(腫瘍)」のある部位に的確に把握し、周囲の臓器との関係をみるために、治療計画用のCTを撮影します。CTは診断するためのものではなく、放射線治療専用のものであり、造影剤はつかいません。治療部位によっては、食事制限や排尿コントロールなどの指示があります。必要な場合は、前もってコンサルテーション時に指示があります。
また、治療用の固定具を作成する場合があります。
基本的には午後の作業になります。
3. 治療開始(初日)
治療準備のCT撮影後、数日以内に治療が開始されます。開始日程は、準備の日に説明します。治療開始時に治療スケジュール(回数・時間など)や治療時の注意事項を説明します。
 治療計画用CT
4. 治療中
基本的には午前中に治療をします。特殊な場合、食事制限がある場合などは午後になることもあります。放射線治療は、治療専任の放射線診療技師が行い、診療サポートを治療センター専任の看護師がいたします。治療担当医が定期的に診察しますが、症状や質問等ある場合は、適宜、当日の担当医によって診察や処置がされます。
 治療室入口
 治療室
5. 治療終了
治療終了が近づくと治療担当医より放射線治療後の生活、経過観察などに関する説明をします。いずれも主治医に相談、報告をして終了予定を決定します。
6. 定期診察
放射線治療外来で行う場合、放射線治療センターで行う場合、紹介主治医で行う場合があります。紹介主治医と相談して決めていきます。

放射線治療

平成21年2月16日に、放射線治療センターに「希望の鐘」を設置しました。全ての施設ではありませんが、欧米では、放射線治療の最終日に鐘を鳴らし、この前で写真を撮ることがあります。




放射線治療センタースタッフ

1. 放射線治療医
2. 放射線診療技師
3. 放射線物理士
4. 品質管理士
5. 看護師
6. 診療補助員
7. 受付

乳癌の放射線治療情報

1. 皮膚ケアパンフレット
乳癌の放射線治療によっておこる放射線皮膚炎について、生活の仕方や皮膚のお手入れの仕方について説明したパンフレットを作成しました。これは日本放射線腫瘍学会(JASTRO)課題研究の研究班で作成したものです。現在、少しずつですが、全国に配信しているところです。
2. 乳癌の放射線治療後皮膚炎に関するアンケート調査
1.に関連した事項ですが、全国の協力医療施設において、放射線皮膚炎に関するアンケート調査が進行しています。協力医療施設の80%よりアンケート調査終了報告書が届いています。終了後にHPにて結果を公表する予定です。もうしばらくお待ちください。
3. マンマスーツ
乳癌の放射線治療時に着用する専用の病衣です。(株)ゴールドウインテクニカルセンターと共同開発し、商品名「マンマスーツ」として2007年(平成19年)4月よりE company にて販売開始しました。
サイズはM~L(普通サイズ:フリー)3色(無地・チェック)、2L~3L単色(無地・チェック)、右用と左用があります。両側用は現在検討中です。
ご希望の施設へはパンフレットをお送りしますので、ご連絡ください。

E company
〒830-0011 久留米市旭町67  臨床研究棟10F   代表 淡河恵津世
TEL:0942-31-7576   FAX:0942-32-9405

放射線治療センター裏手の花壇
 季節の花を植えています。夏はヒマワリです。
外来通院で裏口から入られる患者さんは見ることができます。

ホスピタルアート

病棟から放射線治療センタ-につながる廊下は長い上に薄汚れて、ともすれば放射線治療をうける患者さんの気持ちにも重苦しい影響を与えるのではないかと危惧されていました。そこで、放射線治療センタ-のスタッフは、この廊下を逆に癒やされる空間にできないかと、数年来関係者と交渉してきました。病院当局者や皆さんの協力を得て、2012年8月ようやくこの長年の夢が完成しました。長い廊下には久留米大学医学部医学科・看護科・久留米大学附属臨床検査技術専門学校の美術部の学生さんが「ホスピタルア-ト」として日本の四季をモチーフにした絵を書いてくれました。たくさんの力作がそろいました。
これらの絵は、はじめ美術部の学生さん達が描いてくださった たくさんの絵の中から、放射線治療センタースタッフが選び、配置を決めて描いてもらいました。