プロジェクト紹介

高次脳疾患の
早期発見・早期治療をめざして:
画期的指南指標と新薬の開発

高次脳機能はヒトをヒトとして有らしめるために必要な能力ですが、未だその本質は明らかではなく、この機能の障害への対応は十分ではないと思われます。我々はこれまで、この高次脳機能の障害からくる疾患の病態解明という基礎面の研究を行い、その診断・治療法の開発を目指してきましたが、その研究結果を臨床に活かすだけではなく、当事者に対して予防検診等を実施し、また地域連携担当者や地域医療従事者に対しては教育講演、地域ネットワーク等を通じて啓蒙、支援を行ってきました。今後は、これまで地域で得た結果を基礎、臨床にフィードバックし、更にこの結果を地域へ役立てていくことを考えています。

本プロジェクトは、

地域啓発部門:
地域に根差したネットワークの構築
基礎研究部門:
認知機能障害に対する新薬の開発
診断・治療部門:
早期診断の精神生理学的バイオマーカーの開発と応用

の部門を中心として啓発・基礎・臨床の3つの面から地域に密着した形での高次脳疾患の予防、早期発見、重症化阻止、軽快化の促進、寛解治癒に努めることを目的としています。

看板

福岡県南における発達機障害の
早期介入・治療・研究拠点モデルの形成

超少子高齢化社会を迎えた我が国では、子は国の宝であり、次世代を担う子どもの健全な精神育成は最優先課題といえます。近年、日本の周産期、小児医療は目ざましい進歩を遂げましたが、発達期の脳障害は依然として増加しており、大きな社会的問題となっています。発達期脳障害児への早期介入・治療の重要性は知られていますが、科学的なエビデンスに基づいた診断・治療はほとんど無い状況です。本拠点は、小児の精神・神経・筋疾患に対する成果を世界に発信してきた結果、発達期脳障害児・者が九州、関西一円から集まる早期診断・治療のモデル地区として高い評価を受けており、新生児脳低温療法、レット症候群の治療研究、ミトコンドリア脳筋症に対するL-アルギンの新規治療開発など臨床研究に大きな成果を上げてきました。これらを基に体制を再構築し、診断・治療・研究情報発信の地域モデルを形成して、社会に役立てる事を目的としています。

本プロジェクトは、

  • 1.新生児・発達期に発症する外因性脳障害の診断・治療法の開発
  • 2.代謝性脳障害の診断及び新規治療法の研究開発
  • 3.乳幼児に発症する広汎性発達障害の診断・病態・治療法の研究

の3つのテーマを中心として小児の神経発達障害研究により特化した体制を強化することで、地域に根差した子供を守るための研究拠点の形成を目的としています。