お尋ねの件ですが、深部静脈血栓症と思われます。血栓性素因を持つものから、長期の臥床、手術などその他にもいくつかの原因が考えられています。現在、話題になっているようですが、飛行機でのエコノミークラス症候群がこれにあたります。発症しますと下肢からの静脈還流を著しく阻害し、下肢の腫脹とともに緊満痛を呈したり、時には循環不全を著しく呈して壊死に陥ることもあります。更に血栓の一部が遊離して肺に流れてしまうと肺塞栓症といった命に関わる疾患を引き起こすこともあります。
治療は発症早期(1〜2週間)ですと、外科的に血栓を除去したりする施設もありますが、おおむね内科的な線溶療法との間に治療成績の差がないということで点滴治療の後に、抗凝固剤(ワーファリン)を内服していただいているところが多いようです。 若い症例ですと、先天的な凝固異常の関与していることもありこれらの内服を継続しなければならないこともあります。 |