教授挨拶

教授 楠川仁悟 

楠川仁悟


 久留米大学医学部歯科口腔医療センターは、昭和42年に久留米大学口腔外科学教室として設立され、平成14年度に改組をとげて現在の名称に変わり、平成29年に創立50周年を迎えました。
 当センターは地域の中核病院として、福岡県南部地区をはじめ、熊本県北部、大分県西部の地域から多くの患者さんの紹介を頂いております。かかりつけの医療施設の先生がそれぞれの地域で患者さんへ歯科治療や医療を提供し、時々遭遇する口腔外科領域の難しい疾患はわれわれにご紹介を頂き、協力体制の下で医療における役割分担を行っております。

診療について


 当センターに初診で来られる患者さんは年間およそ3700人であり、入院されて手術を受ける患者さんはおよそ400人です。外来では各曜日に診察医をもうけ、専門医による診察も行っており、診断や治療方針に関しては毎週数回の検討会を開いて各科の専門医と意見を交えて治療にあたっています。
 当センターでは有病者に対する歯科治療、高度な親知らず抜歯、虫歯・歯周病・副鼻腔などから生じた重度の感染症に対する治療、口腔乾燥や原因がわからない痛みなどの精査や薬による治療、顎の骨が少ない、または顎骨腫瘍手術後や先天的影響で顎が欠損している方の骨の造成、インプラント治療、口腔・顎骨・頸部に生じたがん(悪性腫瘍)・良性腫瘍の切除手術や嚢胞の摘出手術、顎骨骨折などの顎顔面外傷に対する整復手術、顎変形症による咬合異常があり歯列矯正だけでは治療が困難な方に対する顎矯正手術、就寝時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群に対応するマウスピース型治療器の作製などさまざまな治療を行っております。また近年では、癌の手術・化学療法・放射線治療の前後において、歯科医師や歯科衛生士が口腔状態や機能の管理を行うことで治療期間の短縮や全身合併症の予防につながることが明らかになり、各診療科と連携して周術期口腔機能管理という役割も担っております。