国内有数の感染症看護専門看護師養成課程

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修了生からのメッセージ

梅津 敦士 (2010年度入学 CNSコース)

 私は、2010年に修士課程にアドバンスド・プログラムコースを専攻し、2013年に科目履修生として、プロフェッショナル・プログラムコースを修了しました。アドバンス・プログラムコースでは、国際的な感染症問題が発生した場合に、個人や集団を対象に、どのような対応を行うか学習しました。国際看護学実習では国立感染症研究所の感染症情報センターにて、FETP (Field Epidemiology Training Program)の初期導入コースに参加しました。授業はほとんど英語であり、難しくありましたが、感染症疫学の基礎を含め、各分野の専門の話が聴ける貴重な機会でした。また、International Congress of the Asia Pacific Society of Infection Control(APSIC)での学会発表や、Victorian Infectious Diseases Reference Laboratory(VIDRL)、The Royal Melbourne Hospitalといった海外の研究施設、病院視察など貴重な体験ができ、国外での感染管理を学べる場でした。
 プロフェッショナル・プログラムコースでは、科目履修ではありましたが、実習にて感染症患者の看護実践を通し、フィジカルアセスメントの重要性、疾病予防から社会復帰など、看護の本質を学ぶことができました。

 在学中は、アドバンスドコース、プロフェッショナルコースの院生とともに学ぶことができ、様々なバックグラウンドの方々が集まっているので、日々刺激を受け学習することができました。いろいろな方と学習を行っていく中で、様々な物の考え方を学ぶことが出来ました。例えば、1つの看護問題を考えていく中でも、先輩方と一緒に考えることで、私一人では考えつかないアプローチ方法など、他方面から考えることが出来きました。卒業後も、卒業生、CNS受験生、在学生を交え、勉強会を開催し学びを深めることができ、私も今年度、感染症看護専門看護師を取得できました。 
 ここまでに多くの先生方に御教授頂きました。感染症看護、研究の根本をご指導頂いた三橋教授、佐藤先生。感染制御や感染症治療については渡邊教授、統計学については角間教授と多くの先生、院生にサポート頂き、学習を深めることが出来きました。その結果、卒業論文が第9回 日本環境感染学会 上田Awardを頂くことができました。時にはきつい事もありましたが、やり遂げた時の達成感は最高です。現在、三橋研究室では、10名のCNSが誕生し、それぞれの病院で活躍しています(2018年4月現在)。みなさんも、この楽しい三橋研究室で感染症看護、感染対策について学んでみませんか?

                

中島 順一朗 (2013年度入学 CNSコース)

 私は、看護師として医療機関に勤務していた頃、集団感染を経験し「集団感染を防ぎたい」「感染は個人から集団を対象にでき、全ての診療科に関わるし、面白そうだ。学びたい。」という思いから、2013年にプロフェッショナルコース(現CNSコース)に入学しました。大学院生活に不安もありましたが、三橋教授を始めとする先生方、大学院の先輩・同期との出会いにより、楽しい日々に変わりました。特に、同期とはそれぞれ経歴や背景が異なるからこそお互いに学ぶことも多く、研究や学習などを通して切磋琢磨しました。修士課程を修了し年月を経た今でも、先生方・大学院時代の先輩・同期・後輩と交流があり、困難な事が生じても共に乗り越え、相互に助け合い成長してゆける関係性は継続しています。
 修士課程1年目の学習内容は多岐にわたりました。感染制御学・感染症薬理学・感染症看護学の講義、国立感染症研究所のField Epidemiology Training Program(FETP)への参加、久留米大学病院ICTラウンドへの同行等と、座学と実習によって感染管理・感染症看護についての基礎知識を学びました。専門看護師に必要となる看護倫理学やコンサルテーション学、看護理論学の講義は、改めて看護について考える機会となりました。また、感染対策や研究において必要な統計学の知識を、バイオ統計センターでしっかりと教えていただきました。2年目は、1年目で修得した知識を臨床看護に生かすべく実習が学習の中心でした。感染管理実習では、職業感染サーベイランスを実施することで院内の職業感染のリスク因子を推定し、針刺し切創を防ぐ方略を立てました。感染看護実習では、免疫機能が低下した慢性骨髄性白血病の患者さん、血管炎に皮膚軟部組織感染を併発した患者さん等を受け持たせて頂き、介入困難事例における感染症看護の実践ついても学びました。

 看護研究では、臨床経験での「この感染対策はこれでよいのか?」というリサーチクエスチョンに基づいて研究を開始しました。看護研究における一連の取り組みから、研究の尊さや価値に触れ、研究成果を原著論文として発表しました。光栄なことに、その論文は日本環境感染学会賞を受賞いたしました。学術の発展に微力ながら貢献できた喜びは人生における一大イベントであり大きな喜びでした。
 修士課程修了後、感染症看護専門看護師として臨床現場で看護実践をしています。感染管理では、研究成果や感染対策ガイドラインと院内感染対策の整合性を確認し、院内の感染対策の質を向上させる方略を企画・運用しています。また、感染について複雑な問題を抱える人に対する情報収集・アセスメント・問題の明確化(看護問題・感染の問題)・援助・評価という看護過程を深く洞察し、科学的根拠に基づいて素早く実践できるようになりました。これからは、臨床の患者さんやご家族、地域の方々に対して、私が学んできたことを還元できるように頑張りたいと思います。