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『後期臨床研修案内』 産婦人科の現状と今後
少子化と産婦人科医師不足 意識調査 意識調査の結果を受けて

[3] 意識調査の結果を受けて
 
■アンケート結果からの考察
* 産婦人科の勤務環境は益々過酷になりつつあり、多くの医師は現状に不満を抱いている。
* 産婦人科医師とは家族にとっても誇れる仕事であるが・・・
* 産婦人科医師とその家族は産婦人科を続けていくことに不安を持っている。


産婦人科医療は産婦人科医師の聖職意識とその家族の犠牲の上に成り立っている。

産婦人科医師不足の解決策 = 現役産婦人科医師の救済
 
■産婦人科医療におけるやりがいとは・・・?
産婦人科医療ではとっさの判断を要するものが多く、
勇気を持って決断する決断力と実行力が求められる。


  たとえば・・・
  周産期医療はhealth careからintensive careに急変する。
  患者家族との信頼関係・医療スタッフへの協力・骨盤外科医
  としての技量etc…

医師としての達成感と自己の存在意義を実感できる診療科である。
 
■産婦人科医師不足解決への提言
1)社会へのアピール

 少子化対策
 ※出産育児一時金の増額

 増えている婦人科疾患(子宮内膜症・卵巣癌・・)
 ※女性3700人にひとりの産婦人科医師でいいのか?

 『分娩は安全かつ快適で当然』といった社会風潮への警鐘
 ※産婦人科医療を巡る現状のアピール

2)産婦人科医療体制の整備

  医療リソースとリスクに見合い、医療経済的に効率の良い地域産婦人科医療
  ネットワークの政策的構築
   産婦人科医療機関の集約化と機能分担


3)産婦人科医師勤務体制の改善
  労働基準法を遵守できる体制の構築
  労働量に見合った給与体系と有給休暇の確立
   ハイリスク分娩管理料・妊産婦指導料の新設

  女性医師が働ける環境の確立
  大学間、病院間を超え、かつ潜在的労働力を活用できる産婦人科医師派遣
   システムの構想

 
■旭川医大病院からの産婦人科医師派遣に関して
  同大・田熊 直之先生、承諾をえて一部抜粋
 早急にマンパワーの充実と北海道独自の周産期診療システムを構築しなければ、道内における地域の出生数の減少はさらに加速されることが予想される。当科としては今後数年間は病院の集約化で対処していくしかないと考えている。

一般市中病院および開業病院による今後数年間の周産期医師の自病院への引き抜きを自粛して欲しい。これ以上、医局員がいなくなると、道内の第2次、3次周産期病院の人員確保も困難になり、ひいては重症妊婦、重症新生児の受け入れも困難になることが予想される。

 人事強制力は教授や医局長にもなく、現在では医師個人の自由意思が尊重されている。 医師個人の自由意思が尊重された場合は、ローリスク・高収入・都会の病院に人気が集中することは避けられない。現在は医局長が医局員に頼み込んで、なんとか地域医療を維持している状況である。
 
■産婦人科医療における医師の資質について
産婦人科医療にはとっさの判断力を求められることが 多く、責任を持って決断する勇気が求められる。 そのため、倫理的な成熟が必要で、真に優秀な人材が 求められている。

  1. 人間として倫理的で、愛をもった人材であること
  2. 総合的判断力に優れていること
  3. 勇気を持って決断し、実行力があること
  4. 自分の行為に責任を持てること
産婦人科医療とは国民の再生産の場における安全の提供である。




 
   
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