泌尿器科のホームページへ、ようこそお越しくださいました。
私ども久留米大学医学部泌尿器科学講座は泌尿器科として独立後60年を超える歴史を刻み、同門会130名以上の会員を擁する伝統ある教室です。
初代重松 俊教授、第2代江藤耕作教授、第3代野田進士教授、そして第4代松岡 啓教授の後任として私、井川が2014年4月1日から教室を主宰させていただくことになりました。
私はこれまでの久留米大学の伝統を引き継ぎながら、より良い地域医療、優秀な泌尿器科医の育成、そしてこれからの泌尿器科学の進歩に少しでも貢献していけるように力を尽くしていきたいと考えております。皆様、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
さて近年、特にこの10年で高齢化社会を反映した悪性腫瘍や排尿機能障害を中心とする各種泌尿器科疾患の増加が顕著になってきました。これをうけて泌尿器科における診断技術・治療法も格段に進歩しています。内視鏡手術、腹腔鏡手術はその良い例であり、低侵襲でかつ効果の高い治療法として今後も外科治療の中心的役割を担っていくものと思われます。
私どもの教室でも早くからレーザーを用いた尿路結石や前立腺肥大症の内視鏡治療を積極的に行ってきました。こういった低侵襲治療は標準的医療としてすでに位置づけられており、これからさらに進めていきたいと考えております。
また、各種悪性腫瘍に対する放射線治療もその適応が拡大しています。例えば前立腺癌に対する小線源治療や強度変調放射線治療は治療選択肢として確立され、当科でも多くの症例に実施しています。
一方で様々な新しい薬物治療も可能になっています。排尿障害に対する新しい作用機序の薬剤、進行腎がんに用いる分子標的治療薬、今後登場する去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療薬など、これまで治療が難しいとされてきた疾患に対してもアプローチが可能になってきました。
これらに加えまして、久留米大学では「腫瘍抗原ペプチドを用いたテーラーメイド癌ワクチン療法」に取り組み、現在臨床試験を実施中です。このような新しい治療への取り組みにあたってはやはり基礎・臨床両面におよぶ研究の下支えが重要です。私は泌尿器科学の発展に寄与できるようなユニークな研究を是非進めていきたいと考えております。
これからの10年、泌尿器科疾患の診断・治療はさらに深化していくでしょう。泌尿器科学はもはや従来イメージされてきた外科学の中の単なる一専門分野としてではなく、より広い疾患領域を対象とし、外科治療を中心としながらも内科的治療も行う総合的な診療科として極めて重要な役割を有しています。そしてこの泌尿器科の役割を中心となって支えていくのはやはり若く、熱意のある泌尿器科医です。
私は学生教育から専門医教育を通じて様々なニーズに応えることのできる人間性豊かな泌尿器科医療人を育成したいと考えております。
興味を持つ医学生、若手医師の皆さんに1人でも多く当泌尿器科学講座を訪れてもらいたいと思います。
最後になりましたが、地域の皆様に最善・最先端の医療を提供すべく教室員一同、一丸となって取り組んでいく所存ですので、重ねましてよろしくお願い申し上げます。
略 歴
1964年 2月 |
長崎県長崎市生まれ |
1982年 3月 |
久留米大学附設高等学校卒業 |
1988年 3月 |
長崎大学医学部 卒業 |
1988年 6月 |
長崎大学医学部 泌尿器科 入局 |
1994年 3月 |
長崎大学大学院医学研究科卒業 |
1997年 6月 |
長崎大学医学部泌尿器科 助手 |
2008年 2月 |
長崎大学医学部泌尿器科 講師 |
2009年 10月 |
長崎大学医学部 泌尿器科 准教授 |
2014年 4月 |
久留米大学医学部 泌尿器科 教授 |
ひとこと
One for all, all for one.
熱意は熱意を生む
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