週刊:がんを生きよう ― 第1部 ― |
― 第1部 ― 前 半 |
【効能】 |
活血化瘀・理気止痛・補血 |
【適応症】 | 血瘀の症状は、頑固な固定性の鈍痛や刺痛(頭痛・胸痛・胸脇部 痛・腰痛・四肢痛など)・夜間に増強する傾向があります。慢性的 に反復する出血(鼻出血・歯齦出血・吐血・喀血・血便・血尿・ 不正性器出血・皮下出血など)・腫瘤(肝腫・脾腫・子宮筋腫・ 卵巣のう腫・腹腔内血腫・外傷後の血腫など)・顔色がどす黒い・ 口唇や爪が暗紅~青紫色・皮膚がかさかさしてつやがない・色素 沈着・小血管の拡張・クモ状血管・静脈怒張などがみられ、肩こ り・のぼせ・ゆううつ感・いらいら・健忘・寝つきや寝おきが悪 い・動悸・乾嘔・口渇があるが飲みたくない・冷え・微熱・便秘 あるいは便の回数が多いなどの症候をともなうことが多々あります。 女性では月経痛・月経のおくれ・暗紅色の月経血で凝塊がまじる・ 無月経などがみられます。舌質は暗紅~青紫でオ点やオ斑がみられ ることがあります。舌は湿潤・脈は細渋あるいは沈細。 |
【類方比較】 | 桂枝茯苓丸:下焦の血瘀に用いる代表処方 桃核承気湯:下焦の血瘀で便秘がある場合 |
【解説】 | 活血祛瘀の桃仁・紅花・当帰・川芎・赤芍・牛膝で血瘀を除き、 行気の柴胡・枳殻が活血を補助します。 桔梗は上行で牛膝は下行に働き、効果を全身に効果を全身におよ ぼし、滋陰の生地黄と養血の当帰の配合により、祛瘀しても陰血を 損傷せず、甘草は諸薬を調和します。 |
【治療の現場から】 | ★食欲不振、元気がない、疲れやすいなどの気虚の症候が強けれ ば、加味帰脾湯・六君子湯・補中益気湯:などを合方します。 桂枝茯苓丸:下焦の血瘀に用いる代表処方 桃核承気湯:下焦の血瘀で便秘がある場合 ★腎虚の症状があれば、六味丸や八味地黄丸などを合方します。 |
【使用上の注意】 | 冠脉通塞丸は妊娠している人には、用いてはいけません。 |
【臨床応用】 | 狭心症・冠不全・慢性頭痛・偏頭痛・不眠症・胸痛・肋間神経痛・ 脳血管障害・脳外傷後遺症・眼底出血・アレルギー性紫斑病・慢性 肝炎・肝硬変症・慢性胆のう炎・尿路結石・胃十二指腸潰瘍・血栓 性静脈炎・月経困難症・無月経・産後の胎盤残留・不正性器出血・ 出血性メトロパチー・骨盤内血腫・打撲による血腫・DICなどで、 血瘀の症候を呈するものに使用します。 |