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 週刊:がんを生きよう再開にあたってのご挨拶

  2月より中断しておりました「がんを生きよう」コーナーを次週より再開いたします。
 再開後のコーナーは私(伊東恭悟:がん免疫専門)のほか2人の副センター長、野口正典教授
(泌尿器科がん専門)と由谷茂教授(消化器がん専門)が交代で担当いたします。

  今回は、再発予防もしくは再増大防止のために個別化ペプチドワクチンを受けられた方々を
 取り挙げます。 身体の中にがん細胞が少なければ少ないほど、がんワクチン療法の効果は期待
 できます。逆に、がん細胞が多ければ多いほど効果は限定的と判断されます。更に重要なこと
 は身体の中にがん細胞が少ない状態であれば多くの方々では抗がん剤併用を必要としません。
  抗がん剤を併用しない場合には副作用としての免疫抑制がないために、ワクチン効果がより
 速く、より強く出現し、そしてより長く持続することが期待できます。

  これまでの「がんを生きよう」コーナーでご紹介しました抗がん剤との併用を余儀なくされ
 る高度進行がんでは、抗がん剤による免疫抑制が常に存在するためにワクチン効果は限定的
(遅延、弱い、短い)とならざるをえません。そのような高度進行がんの方々へのワクチン効果
 についてはこれまで多くの論文やこのコーナーでも取り挙げてきました。
  一方、身体の中にがん細胞が少ない方々については、症例が少ないためにこれまでの「がん
 を生きよう」コーナーでは取り挙げておりませんでした。

  身体の中にがん細胞が少ない病態としては、まず①手術や抗がん治療(標準治療)をうけて
 レントゲン診断やPET診断などで「がん」として認められない時期があげられます。その様な
 方ががんワクチンセンターを再発予防のために受診される事は稀です。次に身体の中にがん
 細胞が少ない病態としては②標準治療をうけた後レントゲン診断やPET診断などで「がん」と
 しては認められる病変部位が残っているものの増大傾向がストップした時期があげられます。
  そのような方が再増大防止に為に受診される事も稀ですがおられます。 このような比較的
 早期のがんの方々の論文上での紹介は、例数が少ないことや、その臨床評価には長い時間
(少なくとも2年以上)を要しますので、発表できないでおりました。そこで、「がんを生きよ
 う」コーナーでそのような方々の事例を報告させていただきます。

  そして、このような機会を契機として、早期がんへのワクチン効果を解析し、個別化ペプチド
 ワクチンの適応拡大(進行がんから早期がん)を目指します。
  次週はまず肺がんの方を紹介させていただきます。


 週刊:がんを生きよう

 ― 第2部 ―
  第44回目  :肺がんに対する再発予防ワクチンの症例
  第45回目  :肺がんに対する再増大予防ワクチンの症例

 ― 第1部 ―
  第1~4回目  :飲むがんワクチン物語マウス版 ①~④
  第 5~ 7回目  :ヒト白血病物語 ①~③
  第 8~11回目 :膵臓がんと口内細菌の物語 ①~④
  第12~14回目 :抗がん治療が出来ない方々 乳がんの方の物語 ①~③
  第15~16回目 :抗がん治療が出来ない方々 肺がんの方の物語 ①~②
  第17~20回目 :抗がん治療が出来ない方々 がん進行が著しく
         がん治療効果が期待できない希少がんの方の物語 ①~④

  第21~25回目 :個別化ペプチドワクチンの効きにくい方々:
                  リンパ球数の少ない方の物語 ①~⑤

  第26回目   :   〃  :血液検査でわかりますか?
  第27回目   :   〃  :血液検査でワクチン効果が分かりにくい方
  第28回目   :   〃  :遺伝子検査でわかりますか?
  第29~32回目 :原発不明がん ①~④
  第33~34回目 :小細胞肺がんの物語 ①~②
  第35回目   :がんと睡眠と免疫機能について
  第36~39回目 :若くして発がんした方の物語①~④
  第40~43回目 :がんを生きた方々の悩みとご家族の悩み①~④