Radiation Immunology
宇宙免疫
Hidetomo Himuro
担当:氷室 秀知
Outer space provides us huge volumes of natural resources such as sunlight,radiation,
and ozone. Although UV from sunlight, radiation, and ozone are,in general,
are harmful to humans, they, in some cases, bring beneficial effects to
us. For example, UV helps the prevention from osteoporosis aswell as from
infection. Ozone can also be used for the sterilization of awater-purification
tank and also for the treatment in some European
免疫学という小宇宙と広大な宇宙空間のトランスレーション
広大な宇宙空間は、紫外線を含む太陽光、放射線、オゾンといった多くの自然資源に満ちあふれています。
それら紫外線、放射線、オゾン等は、一般的には、人体にとって有害と考えられています。しかし、その一方で、紫外線は骨訴訟症の予防や病原体の殺菌に寄与する事はよく知られています。オゾンにおいても、我々の生命線である水の供給に必要な貯水槽の殺菌に使用されていると共に、欧州においては各種疾患の治療に実際に用いられています。また、放射線は医療において必要不可欠な存在であり、がん治療にも広く使用されている事は周知の事実です。
「全ての物質は毒であり、害がないものは存在しない。用量のみが、その物質が無毒であるかを決める」‐スイスの医師Paracelsusが述べているように、有害と考えられている物質も、上手く利用すれば健康促進、疾患予防、疾患治療に利用できる可能性が強く期待されます。
事実、久留米絣の染料として使用される「藍(インジコ)」は多量に投与すれば毒として機能しますが、適量投与において、IL-22依存の上皮再生を促進して、近年本邦で増加傾向を示す潰瘍性大腸炎に対して劇的な治療効果を示す事が明らかとなり始めています。
この研究は、免疫学講座・溝口教授、放射線医学講座・安陪教授、放射線治療センター・淡河教授の御指導のもと、科研費若手研究B(H28年度採択分)及び石橋学術振興基金助成金(H28年度)の補助により行われています。