研究の紹介
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研究の紹介
疾患の原因解明、治療の開発には研究が不可欠であり、当講座では臨床のみならず臨床研究、基礎研究にも力を入れています。 特に喉頭や頭頸部癌に関する基礎研究に関しては、学会発表や論文を通じて研究成果を国内外に発信しています。
近年の基礎研究に関する論文(主なもの)
- Prognostic Value of Tumor Proportion Score in Salivary Gland Carcinoma.
Sato F, Ono T, Kawahara A, Matsuo K, Kondo R, Sato K, Akiba J, Kawaguchi T, Kakuma T, Chitose SI, Umeno H, Yano H. Laryngoscope. 2021; 131: E1481-E1488.
(論文要旨) 唾液腺癌の腫瘍免疫微小環境と予後との関係を免疫組織化学的に検討した。その結果、PD-L1陽性(TPS≧1%)は、独立した予後不良因子であった。 - CD8+ T Cell Infiltration Predicts Chemoradiosensitivity in Nasopharyngeal or Oropharyngeal Cancer.
Kawaguchi T, Ono T, Sato F, Kawahara A, Kakuma T, Akiba J, Sato K, Chitose SI, Umeno H. Laryngoscope. 2021;131: E1179-E1189.
(論文要旨)化学放射線治療を行った上咽頭癌、中咽頭癌の症例に対して、CD8陽性の腫瘍浸潤T細胞密度を測定し、治療感受性や予後との関連を調査した。その結果、T細胞密度は治療の感受性、予後の予測因子となり得ることが示唆された。 - Predictive value of CD8/FOXP3 ratio combined with PD-L1 expression for radiosensitivity in patients with squamous cell carcinoma of the larynx receiving definitive radiation therapy.
Ono T, Azuma K, Kawahara A, Kakuma T, Sato F, Akiba J, Tanaka N, Abe T, Chitose SI, Umeno H. Head Neck. 2020; 42: 3518-3530.
(論文要旨)放射線治療、化学放射線治療を行った喉頭癌の症例に対して、CD8/FOXP3、PD-L1の発現を検討した。その結果、これらのマーカーが局所制御の予測因子になることが示唆された。 - Regeneration of vocal fold mucosa using tissue-engineered structures with oral mucosal cells.
Fukahori M, Chitose SI, Sato K, Sueyoshi S, Kurita T, Umeno H, Monden Y, Yamakawa R. PLoS One 2016; 11: e0146151.
(論文要旨)有効な治療法のない傷害声帯を再生技術で本来の声帯に戻すことを目的に行った動物実験である。頬の粘膜から培養技術で作製した上皮シートを傷害声帯へ移植することで 、再生声帯は理想的な粘膜振動を取り戻すことが示唆された。 - Histoanatomical characteristics to increase the success in transoral surgery for hypopharyngeal cancer. Laryngoscope 2016; 126: 1783-1789.
Chitose SI, Sato K, Fukahori M, Sueyoshi S, Kurita T, Ono T, Shin B, Mihashi R, Umeno H
(論文要旨)解剖体から得た咽喉頭臓器を詳細に解析した研究であり、咽頭がんに対する経口的手術の際に必要な内腔から外側に向けた組織解剖学(inside-out surgical anatomy)の概念を確立した。咽頭癌の治療を行う頭頸部外科医に向けた教育的な報告である。 - A new paradigm of endoscopic cricopharyngeal myotomy with CO2 laser.
Chitose SI, Sato K, Hamakawa S, Umeno H, Nakashima T. Laryngoscope 2011; 121: 567-570.
(論文要旨)2010年に日本初となる嚥下障害に対する低侵襲な手術「内視鏡下輪状咽頭筋切断術」を行った。食道の入口を広く形成することで高い治療効果が得られるため、この手術は全国に普及した。